2016/10/13 18:22

苔はみなさまご承知の通り植物の仲間です。

ただ、同じ植物とはいえ、お花や樹木とはまったく異なった部分が2つあるのをご存知でしたか?

その1つめは、「苔は根っこから水や栄養を吸わない」という事です。

苔は葉や茎の部分で直接水分や養分を吸収しています。

では、苔の根はなんのためにあるのかというと、岩場や木の根にしがみつくためにあるのです。


2つめは、「苔は空気中の水分を吸収している」という事です。

苔が自生している環境は、森林の空気中に漂うひんやりとした霧があるところです。

この空気中の水分を吸収して苔は生長していきます。

この環境は、言い換えると常に霧吹きをかけているような状態です。

では、ビンのような容器に苔を入れ、霧吹きをかけてフタをしておけばいいと考える方もいらしゃるかも知れません。

しかしながら、苔は蒸れを非常に嫌います。

つまり苔は風通しがよく、空気中に水分が多くあるところを好むのです。

これらの条件を満たす環境を再現するのは非常に難しいのです。

では、盆水の環境を考えてみましょう。


水は常にケースの上から流れてきます。

フタがされておらず、前面は開放されいますので風通しが良いです。

盆水のケース周辺には蒸発した水分で満たされています。

これらの環境が苔の生育に見事にマッチしているので、盆水ではとても簡単に苔を育てる事ができるのです。